【必読】不動産買取・不動産売却の流れと諸費用を徹底解説!
2022年12月20日
「不動産を売ろうと思っているけど、流れが分からない…」
「不動産を売るのに費用はかかったりするのかな?」
不動産を手放す方法は不動産売却もしくは不動産買取の2種類の方法があります。
それぞれの方法で流れや諸費用は変わってきますので、これから不動産を売ろうと思っている方はこの記事を読んでしっかり流れを抑えましょう。
「そもそも不動産売却と不動産買取の違いって何?」というあなたもこの記事を最後まで読めば2つ方法の違いがばっちり理解できるはずです。
記事の監修者
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株式会社サプライズコンシェルジュ 代表取締役
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不動産売買仲介・不動産買取歴10年以上
大手不動産会社で売買仲介営業(不動産売買取引100件以上)→不動産テック上場企業の名古屋支社立ち上げ・不動産屋約200社のCS担当→不動産売却マッチングサービス「いえうるん」リリース
資格宅地建物取引士
事業許認可宅地建物取引業 愛知県知事(1)第24918号
記事の監修者(顧問弁護士)
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星ヶ丘法律事務所顧問弁護士
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■プロフィール
平成16年北海道大学法学部卒業 平成20年名古屋大学法科大学院卒業 平成24年弁護士登録 名古屋市内の法律事務所で勤務 平成31年星ヶ丘法律事務所開設
資格弁護士
不動産買取の流れ・諸費用・注意点について
不動産買取とは、不動産業者に自分の不動産を不動産を買い取ってもらう方法です。
不動産売却との違いを簡単に一言で説明すると、不動産売却は不動産会社に仲介してもらい新しい買手に売る方法なので、そもそも売る相手が違うというところです。
不動産売却と比べるとメリット・デメリットとして、
- 現金化までが早い
- 仲介手数料がかからない
- 物件がボロボロでも売れる
- 不動産売却に比べて価格が安くなる
このような特徴があります。
不動産売却では新しい売り手が見つからない限り売ることができません。
そのため、現金化するまで3ヶ月〜何年単位で時間がかかってきてしまうことがありますが、不動産買取では不動産会社が即金で買い取ってくれるので、現金化するまでおよそ3日〜1ヶ月程度と短い期間で取引が終わります。
不動産買取の全体の流れ
不動産買取までの流れは以下の通りです。
- 書類の準備
- 査定依頼(必ず3社以上に査定してもらう)
- スケジュール・条件確認
- 契約書の確認・契約締結
- 引渡し・決済
「必要書類」と書かれても何がなんだか分からないと思いますので、それぞれのステップごとに要点を解説していきますね。
1.書類の準備
不動産買取・査定の際に用意する書類には「必ず用意すべき書類」と「あれば便利な書類」があります。
必要な書類 | あれば便利な書類 |
登記識別情報もしくは登記済権利証 | 売買契約書 |
土地測量図面 | |
間取り図、購入時のパンフレット | |
耐震診断報告書 |
登記識別情報もしくは登記済権利証は必ず用意しておきましょう。
これがないと不動産の所有者が誰なのか判断できないため、売買が不可能です。また、査定時にも用意しておかないと不動産会社に「これは本当に本人が所有している不動産なのか?」と疑問を持たれ、まともに査定してもらえないかもしれません。
あれば便利な書類に関してはできるだけ用意しておくと詳細な査定がとてもスムーズになります。
不動産会社によっては用意するよう求められることもあるので必要書類はしっかり準備しておきましょう。
2.査定依頼(必ず3社以上に査定してもらう)
書類が準備できたら不動産買取をしてもらうために不動産会社に査定してもらいます。
ただし、査定してもらう際は必ず3社以上の不動産会社に査定依頼をしましょう。
なぜ3社以上の会社に査定してもらわなければならないかというと、不動産会社によっては買取金額が100万円以上も変わってくることがあるからです。
不動産買取においては不動産会社選びがとても重要にもなってくるので、不動産買取をしてもらう不動産会社に困ったらコチラの記事を参考にしてみてください。
3.スケジュール・条件確認
スケジュールや条件確認のときにチェックしておきたいポイントは大きく分けて以下の3つです。
- 引渡し、入金の日程
- 契約解除時の取り決め、手付金
- 家具等の処分
とくに契約解除時の取り決めや手付金に関しては額が大きい問題となってくるため、しっかりとすり合わせしておきましょう。
家具の処分に関しては自分でおこなうこともできますし、不動産会社に依頼することもできます。ただし、不動産会社に依頼した際は料金が生じますのでいくらになるか確認しておきましょう。
※手付金とは
売買契約などが成立したことの証明として買取金額の一部を渡す手付。一般的に、買主側は手付金を放棄することで契約できます。売主側が契約を解除する際は一度もらった手付金を返し同額の手付金を支払う必要があります。
4.契約書の確認・契約締結
条件のすり合わせが終わり、契約書が渡されたら必ず内容を確認しましょう。
契約書は読み上げて確認をしますが、聞き流すことはせずに条件通りの内容で契約書がきちんと作成されているかどうか、自分に不利な条件がないかなどきちんと確認することが大切です。
もし分からない部分や曖昧な部分があったら必ず認識をすり合わせましょう。
先ほど簡単に説明しましたが、一度契約書にサイン、押印をしてから買主側からの契約を解除を申し出ると手付金が発生します。手付金は売買金額の5%〜10%とが一般的で負担が大きいので注意しましょう。
5.引渡し・決済
最後は決済です。司法書士に書類確認をしてもらい、買取金額の残額を受け取り、不動産会社に鍵を渡すという流れで終わります。
不動産買取の諸費用
不動産買取の際にかかってくる費用は状況によって変わってきます。以下の表を見て、自分に当てはまるものを用意しておきましょう。
名称 | 費用 | 条件 |
引っ越し費用 | 数万円〜十数万円 | 引っ越しが必要な場合 |
司法書士費用 | 2万円〜3万円程度 | 住宅ローンが残っている場合等 |
登記識別情報(登記済権利証) | 3万円〜5万円程度 | 紛失した場合の再発行費用
※必要書類 |
土地測量図 | 10万円〜100万円程度 | 紛失した場合の再発行費用
※査定時に紛失に気がついたら不動産会社に相談 |
建築確認済証 | 400円程度 | 紛失した場合の再発行費用 |
固定資産税納付通知書 | 400円程度 | 紛失した場合の再発行費用 |
住民票 | 300円程度 | 現住所と買取してもらう不動産の住所が違う場合 |
印紙税 | 数円〜数十万円 | 下記参照 |
印紙税に関しては買取してもらう不動産の額によって大きく異なりますので、以下の表を参照してください。
印紙税 | |
10万円〜50万円 | 400円 |
50万円〜100万円 | 1,000円 |
100万円〜500万円 | 2,000円 |
500万円〜1,000万円 | 10,000円 |
1,000万円〜5,000万円 | 20,000円 |
5,000万円〜1億円 | 60,000円 |
1億円〜5億円 | 100,000円 |
5億円〜10億円 | 200,000円 |
10億円〜50億円 | 400,000円 |
50億円〜 | 600,000円 |
不動産買取の注意点
引っ越しをする場合や住宅ローンが残っている場合は数万円から数十万円の費用が発生します。
印紙税がどの程度になるかは個人差がありますが、そのほかの費用としては必要書類の紛失さえなければ数千円程度の費用で不動産買取はできるのです。
ここまで不動産買取の流れと諸費用を紹介してきました。
不動産の売買は金額が大きくなることが多いのですべて注意したいですが、中でもとくに抑えておきたいポイントは以下の3つです。
- 不動産会社選び
- 手付金等の契約確認
- 確定申告
不動産買取時に最も重要といえるのが不動産会社選びでしょう。
上述しましたが、不動産買取では不動産会社によって買取金額が大きく変わってくることがあります。
保有している不動産の市場価格を正しく教えてくれる不動産会社を選ばないと後悔することになってしまうかもしれません。
不動産買取をすると決めたら自分の不動産の相場を知ることも重要です。自分で不動産買取相場を調べたい方は「【決定版】不動産のプロが教える間違いない不動産買取相場の調べ方をご覧ください。
不動産を売却して利益が発生したら確定申告をしなければなりません。ただし、利益は購入時の金額から差し引いた額です。
利益=「買取金額」ー「売却金額」ー「購入金額と売却時にかかった諸経費」
また、損失があった場合は逆に税金が少なくなりお金が返ってくる場合もありますので税理士に相談してみるとよいでしょう。
不動産売却の流れ・諸費用・注意点について
不動産買取と不動産売却では多少流れが変わってきます。大きく違うポイントは不動産会社に仲介してもらい新しい買主に対して売却するということです。
大まかな流れとしては不動産買取と似ているので、ここからは不動産買取の流れとの相違点だけ簡単に解説していきます。
不動産売却の全体の流れ
不動産売却は以下のような流れでおこなわれます。
- 書類の準備
- 査定依頼(必ず3社以上に査定してもらう)
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 不動産会社による販促活動
- 購入希望者と条件交渉
- 買主と売買契約を締結
- 引渡し・決済
不動産買取と大きく違ってくるポイントは不動産会社と媒介契約を結ぶところからです。
媒介契約とは、簡単にいえば不動産会社が「売主と買主の関係をなかだちします」という契約です。購入希望者が見つかったら売主と売買契約を結ぶため、不動産会社からの指示を仰ぎましょう。
不動産売却の諸費用
不動産売却と不動産買取の諸費用で変わってくるポイントは、「仲介手数料」です。不動産売却では仲介してもらった不動産会社に仲介手数料を支払わなければなりません。
仲介手数料の上限は以下のように定められています。
売買代金200万円以下 | 代金の5%+消費税10% |
売買代金200万円超400万円以下 | 代金の4%+2万円+消費税10% |
売買代金400万円超 | 代金の3%+6万円+消費税10% |
もし5000万円の不動産を売却する場合の仲介手数料は下記の通りです。
(5000万円×0.3+6万円)×消費税10%=約171万円
このようにとても大きな金額になってきます。仲介手数料以外の費用は不動産買取の場合にかかってくる費用と同じです。
不動産売却の注意点
不動産売却時の注意点としてあげられるのが「媒介契約の内容」です。
媒介契約を結んだら不動産会社に販促活動の依頼をしますが、媒介契約の内容によって販促活動の質が変わってきます。媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」と3種類あり、内容が異なります。
一般媒介契約は同時に複数の不動産会社と結ぶことができるのでたくさんの不動産会社に依頼することができますが、大きな販促活動はしてもらえません。
一般媒介の場合、条件がよくない限り1年経っても売れないということがあるので注意しましょう。
専任や専属専任の場合、同時に1社の不動産としか契約を結ぶことができません。
しかし、頻繁に販促活動してもらえるので、不動産売却でよりはやく買主を見つけたいのであれば優良な不動産会社と専任媒介契約か専属専任媒介契約を結ぶことをオススメします。
このように媒介契約を1社で結ぶということになると不動産買取と同様で、不動産売却においても不動産会社選びというのはとても重要になってくるのです。
まとめ
今回は不動産買取における全体の流れ、諸費用、注意点と不動産売却との違いに関して紹介してきました。不動産の売買は人生で何度もあることではありません。実際に不動産を査定してもらい売ると決めたら納得がいくまで不明瞭な点は質問するようにしましょう。
そして、不動産買取においても不動産売却においても重要なのが不動産会社選びです。悪質な不動産会社に依頼してしまうと何百万円も損してしまうおそれがあるので不動産会社選びだけは失敗しないよう注意しましょう。