不動産売買の代理手数料はいくら?種類や注意点について徹底解説
2023年02月28日
「不動産を売却したいけど、代理人に頼んだときの手数料はいくら必要?」
「代理販売は、代理販売ではない不動産売買と比べてどのくらい手数料が違うの?」
不動産売買において、上記のお問い合わせをいただきます。
不動産を代理人に依頼して売却する場合、売主は通常の仲介手数料に加えて代理手数料を払うため、より多く手数料を支払う必要があります。
買主の場合は手数料を支払わなくてもよいケースが多いです。
今回は、不動産の代理手数料について知りたい方や不動産売買における手数料を安くする方法を知りたい方に向けて詳しく解説します。
また、不動産の代理売買を行うメリットや注意点も合わせて解説しており、売主・買主どちらの観点からも読める記事となっておりますので、ぜひ参考にしてください。
記事の監修者
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株式会社サプライズコンシェルジュ 代表取締役
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不動産売買仲介・不動産買取歴10年以上
大手不動産会社で売買仲介営業(不動産売買取引100件以上)→不動産テック上場企業の名古屋支社立ち上げ・不動産屋約200社のCS担当→不動産売却マッチングサービス「いえうるん」リリース
資格宅地建物取引士
事業許認可宅地建物取引業 愛知県知事(1)第24918号
記事の監修者(顧問弁護士)
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星ヶ丘法律事務所顧問弁護士
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■プロフィール
平成16年北海道大学法学部卒業 平成20年名古屋大学法科大学院卒業 平成24年弁護士登録 名古屋市内の法律事務所で勤務 平成31年星ヶ丘法律事務所開設
資格弁護士
不動産売買における取引態様の種類と支払う手数料について
不動産のポータルサイト(at homeやSUUMOなど)で物件情報の詳細を確認すると「取引態様」という欄があります。
不動産売買では、取引態様は「売主」「媒介(仲介と表記されてる場合もあり)」「代理」の3種類のどれかです。
取引態様とは、宅地建物取引業者(不動産会社など)が物件の取引を行う際の立場を示したものです。
この取引態様の種類によって支払う手数料が変わってきます。取引態様の種類によって、どのような違いがあるのかそれぞれ解説していきます。
取引態様の種類【売主】
不動産のポータルサイトで、取引態様が「売主」になっている物件は「掲載元の不動産会社が所有している不動産」のことです。
取引態様という言葉を目にするのは「不動産会社など宅地建物取引業者が介する取引のみ」なので、基本的にポータルサイトに売主個人の名前が載ることはありません。
各ポータルサイトの物件情報の欄に「掲載元不動産会社」も記載されているはずですので確認してみてください。
特に新築やリノベーション済みの物件は不動産会社が所有していることが多いため、取引態様が「売主」になっていることがほとんどです。
取引態様が「売主」の不動産を売買する場合、不動産会社から直接購入するため手数料は発生しません。手数料が発生するのは「不動産会社に仲介してもらう場合」です。
不動産売却をする際に売主として取引態様に名前を出すためには宅建業の資格を取る必要があります。
取引態様の種類【媒介・仲介】
取引態様が「媒介・仲介」となっている不動産は、記載されている掲載元の不動産会社が売主に依頼されて仲介をしているという状態です。
取引態様が「媒介・仲介」の不動産を購入する場合、仲介している不動産会社が仲立ちをしながら売主と買主で売買契約を結ぶということになります。
そのため、取引態様が「媒介・仲介」の不動産売買では、基本的に売主と買主のどちらも仲介手数料が発生します。
仲介手数料には下限はありませんが上限が定められており、以下の通りです。
売買する不動産の価格(税抜き) | 仲介手数料の上限 | |
不動産の価格が200万円以下の場合 | 売買価格(税抜き)×5%+消費税 | |
不動産の価格が200万円超〜400万円以下の場合 | 売買価格(税抜き)×4%+20,000円+消費税 | |
不動産の価格が400万円超の場合 | 売買価格(税抜き)×3%+60,000円+消費税 |
※一般的にどの不動産会社でも仲介手数料は上限額で設定されています。
取引態様が「一般媒介」「専任媒介」「専属媒介」といった表記をされていることがありますが、手数料は全て変わりません。
買主側には「仲介手数料無料」や「仲介手数料半額」などのキャンペーンを行うこともありますが、売主側が割引されることは基本的にありません。
取引態様の種類【代理】
取引態様が「代理」となっている不動産は、「売主が不動産会社に代理権を与えて販売している不動産」のことです。
「仲介・媒介」との大きな違いは、「誰と売買契約するのか」という部分です。
「仲介・媒介」では「買主と売主が契約」するのに対し、「代理」では「買主と不動産会社が契約」をする形になります。
一般的に代理手数料は売主へ請求になりますが、法律上は代理手数料の上限さえ守れば、手数料の支払い割合を自由に設定できます。そのため、代理手数料は買主に請求することもできます。
不動産の購入を考えている場合は、念のため代理手数料がどうなっているのか確認してから購入するようにしましょう。
代理手数料は仲介手数料同様に上限があり、以下のように定められています。
売買する不動産の価格(税抜き) | 代理手数料の上限 |
不動産の価格が200万円以下の場合 | 売買価格(税抜き)×10%+消費税 |
不動産の価格が200万円超〜400万円以下の場合 | 売買価格(税抜き)×8%+40,000円+消費税 |
不動産の価格が400万円超の場合 | 売買価格(税抜き)×6%+120,000円+消費税 |
売主として代理販売を考えているのであれば、通常の売却と比べて倍額の手数料が発生してしまうと覚えておきましょう。
不動産売買においてどの取引態様が手数料を安くできる?
売主、買主のどちらでも、手数料は取引態様が「売主」のときに一番安くなります。
しかし、手数料を安くしたいがために、取引態様を「売主」にすることが良いわけではありません。
個人が不動産売却をする場合「取引態様を売主にしたい」と思っても、簡単にはではなく、取引態様を「売主」に設定することは、自身が「宅地建物取引業者」になることです。
宅建業の資格を取ること自体は勉強することで取得できますが、資格取得後から不動産を売却するまでには、時間がかかります。
そのため、手数料という面に焦点を当てるならおすすめは以下の通りです。
- 自分が買主の場合:「売主」もしくは「代理」
- 自分が売主の場合:「仲介」
自分が買主であっても、取引態様の種類【売主】でも解説したように取引態様が「売主」の不動産は、売主が価格を独自で決めています。
手数料は無料ですが不動産そのものが高額になっているかもしれないため、類似物件の価格としっかり比較しましょう。
取引態様における代理を選ぶメリット
「代理」を選ぶメリットは、売主・買主それぞれの目線から紹介すると以下の通りです。
■売主としてのメリット
- 契約までの一連の流れをすべて不動産会社に委託できる
- 買主との顔合わせが必要ないため、県外など遠方の不動産でも手軽に売却できる
■買主としてのメリット
- 原則、仲介手数料が必要ない
- 実質、不動産会社という第三者かつ専門家が不動産の価格を決めているため安心できる
不動産売買における取引態様の明示義務
不動産売買をする際、宅地建物取引業者(不動産会社等)が広告をするときは取引態様は明示しなければなりません。不動産売買において、不動産が広告されている段階で買主は、取引態様が「売主」「仲介・媒介」「代理」どれなのかを知る権利があります。
「取引態様の明示」は不動産業者間での売買取引であっても例外ではありません。
ただし、明示の方法は書面ではなく、口頭でもよしとされています。宅地建物取引業者が取引態様の明示を怠った場合、監督処分として業務停止処分を受けることがあります。
不動産売買を代理契約するための注意点
取引様態が「代理」で契約する場合、売主はその場に来ることはありません。
しかし、買主は売買契約時に不動産価格の5%〜10%程の手付金を支払うことになります。
そのため、トラブル防止のために契約時には不動産会社が本当に代理権を持っているのか。
また、聞かされていた売主が本当に所有権者なのかを確認するようにしてください。
代理権を持っていれば、実印が押印されている「代理権授与の委任状」があるので、本人確認書類等と一緒に見せてもらいましょう。
また、売主が所有権者かどうかは「権利証」もしくは 「登記識別情報通知」で確認できるので、こちらも合わせて見せてもらいましょう。
まとめ:不動産売買を行うのであれば専門家に任せましょう
不動産売買の取引態様は、「売主」「仲介・媒介」「代理」とある中で、代理契約は買主にとって手数料がかかりにくい有利な契約です。
しかし優遇されているだけで請求される可能性があります。
不動産売却の手数料は、取引様態「売主」になることで抑えられますが、個人の力だけで不動産を売却するのは難しいです。
宅建業の資格を取ることで、自分が売主として広告を出すことはできますが、時間もかかってしまうため、すぐに不動産の売却を検討したい方は不動産の専門家に相談をおすすめします。
不動産売却を考えている方は、「いえうるん」へご相談ください。