築年数別の家の売却相場を紹介 | 高く売る方法は?
2023年02月22日
「家を売ろうと思っているけど、築年数によって価値は下がるのかな?」
「築年数が古い家は売れないって聞いたけど本当?」
結論から伝えますと、築年数によって家の価値は下がります。
しかし、中古物件の需要は年々増えてきているため、築年数によって家が売れなくなることはありません。
築年数が古く手入れをせず、タバコなどで壁紙が黄ばんでいたり、床を歩くだけで軋むような家は売れづらくなります。
ただ、そのような家でも売り方次第では高く売れることもあります。
そこで今回は、築年数によって家の売却相場がどれほど変化するのか、そして築年数が経っている古い物件を高く売却する方法について解説します。
家の売却相場の調べ方も紹介するので、売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
記事の監修者
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株式会社サプライズコンシェルジュ 代表取締役
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不動産売買仲介・不動産買取歴10年以上
大手不動産会社で売買仲介営業(不動産売買取引100件以上)→不動産テック上場企業の名古屋支社立ち上げ・不動産屋約200社のCS担当→不動産売却マッチングサービス「いえうるん」リリース
資格宅地建物取引士
事業許認可宅地建物取引業 愛知県知事(1)第24918号
記事の監修者(顧問弁護士)
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星ヶ丘法律事務所顧問弁護士
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■プロフィール
平成16年北海道大学法学部卒業 平成20年名古屋大学法科大学院卒業 平成24年弁護士登録 名古屋市内の法律事務所で勤務 平成31年星ヶ丘法律事務所開設
資格弁護士
家の売却相場は築年数が経つほど下がる
築年数が経つほど売却相場下がる理由は、耐用年数があるからです。
日本では、木造戸建ての耐用年数は22年、鉄筋コンクリートなどのマンションの耐用年数は47年と定められています。
上記から築30年ほどの木造戸建ては、売却査定をしても耐用年数オーバーで価値がゼロとして扱われてしまうのです。
売却相場は築年数が経つほど下がりますが、耐用年数の違いもあり、木造戸建てとマンションでは価値の下がり方が異なります。
国土交通省がまとめた「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、木造戸建て住宅は築年数が浅いほど資産価値の下落率は高くなります。
築10年で本来の50%の資産価値になり、築15年ほどで本来の20%、築15年を過ぎた後は徐々に下がっていくのが一般的です。
マンションは1年目のみ資産価値の下落率が高く、築1年で本来の90%まで資産価値が下がります。
しかし、その後は戸建てと比べて緩やかな下落となり、築10年でも本来の70%〜80%、築35年で本来の30%くらいの資産価値があるという結果が出ています。
築年数別の家の売却相場
先ほど紹介したように、一戸建ては築年数が浅いほど資産家価値の下落率が高くなります。
国土交通省がまとめた「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」から、築年数における売却相場の変動を「築10年以内」「築11~20年 」「築21年以上」の3段階に分けて紹介します。
築10年以内の一戸建て
戸建ては新築から1年ごとに5%ほどずつ資産価値が下がり、一般的に築10年で新築価格の50%ほどになってしまいます。
ただし、これは木造の場合であって、RC造(鉄筋コンクリート)の戸建てであれば耐用年数が長いため資産価値の下落率は低くなる傾向です。
買主が中古住宅を購入する際、「住宅ローン減税」が受けられるのは築20年以内の物件だと決められています。
減税もあり、築浅となれば古い物件よりも売れやすいのは間違いありません。
築11~20年の一戸建て
木造戸建ては築15年までは資産価値の下落率が高く、築15年を目安にゆるやかに下落していくような形になります。
築15年で新築価格の20%くらいまで資産価値が下がりますが、築20年では本来の15%ほどにしか下落しません。
2000年に木造住宅の耐震基準の改正が行われました。
そのため、2000年6月以前に造られた物件は、耐震性能が万全ではないかもしれません。2000年6月以降に造られた物件とそれ以前に造られた物件では耐震への安全性が違います。
相場に影響を及ぼすことにもなるため、古い物件を売却しようと思っている方は耐震診断を行うことをおすすめします。
築21年以上の一戸建て
築20年を超えると、木造戸建ての資産価値はほぼなくなるのが一般的です。
築30年を超える戸建てなどは、家屋が建っていても土地のみの価格で売買されます。
建物の状況や場合によっては解体して更地にし、土地として売り出した方がよいケースもあります。
ただ、解体にも費用はかかれば、空き家を解体して売り出すと、売却されるまで固定資産税が高くなってしまいます。
築21年以上の家を売却する際は、不動産会社と相談して売り出し方を決めましょう。
家の売却相場の調べ方
築年数に関係なく、家の売却相場は自分で調べられます。
不動産会社に売却査定をしてもらえば手早く正確に価格を知ることができますが、まずは自分で大まかな目安をつかみたい方もいるでしょう。
家の売却相場を調べる方法は以下の通りです。
①レインズ・マーケット・インフォメーションで検索
②土地総合情報システムで取引価格を検索
③路線価図で相場をチェック
④複数の業者に見積もり依頼
それぞれ順に解説していきます。
①レインズ・マーケット・インフォメーションで検索
レインズ・マーケット・インフォメーション(以降レインズ)はインターネットで全国の不動産の売買情報を調べられるサイトです。
直近1年間を遡り、売買された戸建・マンションの価格を調べることができます。
レインズで自分の家と同じ条件の売買情報を検索すれば、おおよその相場は見えてくるでしょう。
レインズでは地域を絞って検索することができれば、「坪単価」「最寄駅」「駅からの距離」など立地条件の詳細を設定することも可能です。
詳細条件がほぼ一致する物件があると、より正確な相場を知ることができます。
②土地総合情報システムで取引価格を検索
土地総合情報システムは国土交通省が運営している不動産の取引情報サイトです。土地総合情報システムでは、以下3つのサービスを提供しています。
不動産取引価格情報検索
地価公示・都道府県地価調査
不動産取引価格アンケート回答
不動産取引価格情報検索では、「土地」・「土地と建物」・「中古マンション」・「農地」・「林地」の実際に行われた取引価格の検索ができます。
地価公示・都道府県地価調査では、各都道府県の地域ごとの平米単価が検索可能です。
不動産取引価格アンケート回答では、「どこの地域の土地・建物をいくらで売ったのか」というのを実際に売買した人からアンケート調査しています。
③路線価図で相場をチェック
路線価図は、全国の路線価を実際の地図で確認するためのものです。
路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートルあたりの価額のことを指します。
年によって若干価額は変動していますが、国税庁のホームページでは過去6年分まで遡って路線価図の価額を確認できます。
すぐに売却するのであれば今年分の価額だけ見ればよいですが、「すぐに売却する訳ではない」という場合は、相場の目安をはっきりさせるためにも過去分も見ておくとよいでしょう。
④複数の業者に見積もり依頼
インターネットを使えば自分である程度の相場は調べることができますが、正確に相場を知りたいのであれば、複数の不動産業者に査定を依頼しましょう。
可能であれば、まずは自分で家の売却相場を調べてから業者に依頼すると良いです。
実際に依頼することで業者の質が見えてきます。
自分で調べた相場価格と見積もりの乖離が大きい場合、業者に質問することができれば、返答に納得がいかなかったら違う業者に依頼する選択肢も生まれます。
最も危険なことは、「何も調べずに1社だけに査定を依頼する」ことです。
業者によっては、売主と契約を取るために本当は売れない価格なのに売れると言ってきたりします。
複数の業者に査定を依頼すれば確実な価格を知ることができますし、悪徳業者に引っかかることもありません。
もし業者に依頼して相場を調べようとしている方は、最低3社から見積もりを取るようにしましょう。
築10年以上築年数の古い物件を売る方法
新築に比べて築年数が経っている古い物件は売れづらいですが、全く売れないということはありません。
以下のような工夫をすることで、売却できる可能性を高められるため、ぜひ参考にしてみてください。
①実績ある買い取り業者に依頼する
②買い取り保証を利用する
③リフォームをする
④インスペクションを実施する
①実績ある買い取り業者に依頼する
仲介で売れない場合は、不動産業者に買い取りしてもらうこともできます。
買取専門の不動産会社に依頼すれば基本的に確実に売れます。ただ、仲介による「不動産売却」で売却するのと、業者等に直接買い取ってもらう「不動産買取」では価格が大きく変わってきます。
不動産買取は早く確実に売れる代わりに、売却価格が本来の相場の7~8割程度になることは覚えておきましょう。
さらにいうと、「不動産売却」の価格相場は土地や建物の相場から割り出して一定の価格が算出されますが、「不動産買取」は業者のさじ加減で価格が大きく異なります。
業者によって買取価格が数百万円も変わることも珍しくないため、買取という選択肢を取るのであれば、より多くの実績ある業者に見積もりを取ってもらいましょう。
②買い取り保証を利用する
買取保証とは、不動産会社に売却の仲介を依頼して「定められた期間内に売れなかったら買い取ってもらう」というサービスです。
買い取ってもらう際は、売り出し価格の80%〜100%で買い取るのが相場です。
ただし、100%の価格で買い取るというサービスをしている業者は、あらかじめ相場より安い価格で売り出します。
高割合の買取保証をしているからといって、高く売れるという訳ではありません。
買取保証を考えている方も業者のサービスはしっかり比較しましょう。
③リフォームをする
前提として「売れないからリフォームする」のはおすすめしません。
基本的にリフォームしてすぐに売却したところで、リフォーム代の元は取れないからです。
さらに言えば、リフォームは自分の好みに合わせて行うことが多いため、リフォーム済み物件を買うなら中古を買ってリフォームする方が多いでしょう。
リフォームすることによって内装が良くなり、買主が見つかりやすくなることはありますが、売却のためにリフォームはしないほうがいいです。
リフォームするのであれば、「希望額で売れなかった場合は住み続けてもいい」など費用対効果を考えた上で進めましょう。
④インスペクションを実施する
インスペクション(建物状況調査)とは、中古住宅の性能や劣化の度合いについて専門家に調査してもらうことです。
築年数が経っている古い物件だと、隠れた欠陥があるのではないかと心配になる買主がいらっしゃいますが、調査報告書を作成してもらえれば、買主の不安も取り除けます。
インスペクションは5~10万円ほど費用がかかりますが、古い物件では買主との交渉の際に報告書があったほうが有利に話を進められるはずです。
まとめ:家の売却相場は築年数で大きく変わる
今回は家を売却する際の築年数に関して解説してきました。
木造戸建ての住宅であれば、築年数による資産価値の下落幅は以下の通りでした。
- 築10年で新築時の50%まで資産価値が落ちる
- 築15年で新築時の20%まで資産価値が落ちる
- 築20年を超えると建物としての資産価値はほぼない
築30年を超えてくると、建物を取り壊したほうが売却可能性が高まるためケースも存在いたしますが、物件の状態により売却の可能性は変化するため、、売却する際は不動産会社に相談しましょう。
また、古くて買主が見つからなそうな場合は、買取保証で売り出したり、買取業者に相談してみるのもひとつの手段です。
どの不動産業者に相談すればいいか分からないという方は、ぜひ「いえうるん」へご相談ください。